卒業制作
2025年度 京都芸術大学 通信教育部 グラフィックデザインコース
<写真/小説/デバイスの三作品。>
うつ病は、理解することが難しい病気です。
一つの説明や視点で捉えようとすると、かえって本質から遠ざかってしまうような、掴みどころのない存在でもあります。
制作を通して改めて向き合う中で、うつ病は「よくわからない病気である」という感覚が、よりはっきりとしました。
同時に、うつ病には社会との関係、自分自身との関係、そして他者との関係など、複数の側面が重なり合って存在していることに気づきました。
本卒業制作では、うつ病を一つの答えに収束させるのではなく、距離を変えて見てみることによって、その在り方を考えることを試みています。
具体的には、
- うつ病と社会との距離
- うつ病と自分自身との距離
- うつ病である自分と他者との距離
この三つのレイヤーを、それぞれ 写真・小説・デバイス という異なる表現手法で扱っています。
制作の結果として導かれた結論は、やはりうつ病は「よくわからないものだ」ということでした。
しかし同時に、その「よくわからなさ」を無理に解消しようとせず、分かったふりをしないまま向き合える距離があるのではないかと感じるようになりました。
本作品群に触れることで、鑑賞者それぞれが、うつ病に対して近づきすぎる ことも、遠ざけすぎることもなく、自分なりの適切な距離を見出すきっかけに なればと考えています。